【LaTeX】【tikz入門】図形に色を付ける
LaTeXで数式を扱うときに、グラフや図形などを用いて視覚的に説明することが有効である。
その際色をつけることによって、より見やすく、わかりやすくなる。
LaTeXには直接図を描くことができるtikzパッケージがある。このパッケージでは、線に色を塗ったり内部を塗りつぶしたりすることができる。
使える色は基本色のみだが、色を混ぜるようなことによって新たな色を作り出せる。
また塗りつぶしの濃度を調節することもできる。
それでは具体的なコマンドと出力結果を見ていく。
準備
tikzパッケージを使用するためには、プリアンブル(\\begin\{document\}
の前)に次のように記述して、tikzパッケージを使えるようにさせる。
\usepackage{tikz}
ここでエラーが出る場合は、使っている環境にtikzパッケージがインストールされていないので、別途インストールする必要がある。
具体例
線に色をつける
線に色をつけるには、draw コマンドに大かっこ「[]」でオプションを付ける。色名をそのまま記述することで、その色にすることができる。
\begin{tikzpicture} \draw [red] (0,0) circle (2); \end{tikzpicture}
- 実行結果:
線の中を塗りつぶす
drawと同じように、fill コマンドのオプションに色名を入れるとその色で塗りつぶせる。
\begin{tikzpicture} \fill [red] (0,0) circle (2); \end{tikzpicture}
- 実行結果:
内部と縁を別々の色にする
例えば赤色で塗りつぶして縁を青色にしたい場合は、filldraw コマンドを使い、オプションでそれぞれ色を指定する。
\begin{tikzpicture} \filldraw [fill=red,draw=blue] (0,0) circle (2); \end{tikzpicture}
- 実行結果:
線でつないだ図形も塗りつぶせる。
\begin{tikzpicture} \filldraw [fill=red,draw=blue] (2,0) -- (0,0) -- (0,2); \end{tikzpicture}
- 実行結果:
縁の線を閉じたい場合はcycleコマンドを使う。
\begin{tikzpicture} \filldraw [fill=red,draw=blue] (2,0) -- (0,0) -- (0,2) -- cycle; \end{tikzpicture}
- 実行結果:
使用できる色
基本的には以下の17色が使える。
名前 | 色 |
---|---|
red | 赤 |
blue | 青 |
green | 緑 |
yellow | 黄色 |
magenta | マゼンタ |
cyan | シアン |
black | 黒 |
white | 白 |
gray | グレー |
darkgray | 暗いグレー |
lightgray | 明るいグレー |
olive | 暗い黄色 |
brown | 茶色 |
orange | オレンジ |
lime | 黄緑 |
teal | 青緑 |
violet | 青紫 |
purple | 赤紫 |
pink | ピンク |
色を混ぜる
上で挙げた色以外にも、それぞれの色を混ぜることによって新たな色を作り出すことができる。
fill,drawオプションそれぞれに以下のように記述する。割合は百分率で表す。(0が最小100が最大)
- 2色混ぜる場合
- コマンド:色1!割合!色2 色1 が割合(\%)、色2が(100-割合)(\%)の色が出来上がる。
- 3色混ぜる場合
- コマンド:色1!割合1!色2!割合2!色3 色1 が割合1(\%)、色2が割合2(\%)、色3が(100-割合1-割合2)(\%)の色が出来上がる。
具体的には以下のようなコードになる。
\begin{tikzpicture} \fill [red!100!blue] (0,0) circle (1); \fill [red!80!blue] (2,0) circle (1); \fill [red!60!blue] (4,0) circle (1); \fill [red!40!blue] (6,0) circle (1); \fill [red!20!blue] (8,0) circle (1); \fill [red!0!blue] (10,0) circle (1); \end{tikzpicture}
左から順に青色が増えていく。
- 実行結果
濃度の調整
オプションによって、描く図形の濃度を調整することができる。
- コマンド: opacity=濃度
- 濃度は0から1までの小数で表す。
- 0=色なし
- 1=不透明
具体的には以下のようなコードになる。
\begin{tikzpicture} \fill [red,opacity=1] (0,0) circle (1); \fill [red,opacity=0.8] (2,0) circle (1); \fill [red,opacity=0.6] (4,0) circle (1); \fill [red,opacity=0.4] (6,0) circle (1); \fill [red,opacity=0.2] (8,0) circle (1); \fill [red,opacity=0] (10,0) circle (1); \end{tikzpicture}
左から徐々に薄くなって、1番右が透明
- 実行結果
まとめ
tikzで色を使うには次のようにする。
- 線に色を付ける
- \draw [色] 描画コマンド;
- 色で塗りつぶす
- \fill [色] 描画コマンド;
- 塗りつぶして、縁に別の色をつける
- \filldraw [fill=色,draw=色] 描画コマンド;
- 色は感嘆符!を使って混ぜることができる
- 濃度を調節できる
- opacity=濃度